コラム

エメラルドについて

エメラルドについて

おそらく知らない人はいないというくらい有名な宝石のエメラルド。  5月の誕生石、そして、結婚55年の記念日をエメラルド婚式というそうです。 エメラルドの特徴 エメラルドの歴史 石としてのエメラルドと商品ののご紹介 【エメラルドの語源】 サンスクリット語で緑色という意味を指すスマラカタというのが語源であり呼び名でしたが、その後ギリシャ語の緑色の石全般を指す意味のスマクラグドスという呼び方に変わり、さらにラテン語のスマラクダス、古フランス語のエスメラルド、そして現在の呼び名のエメラルドと長い歴史の中で呼び名が何度も変化しています。 和名も緑色の石という意味がベースの「緑玉」です。 (ちなみに、成分鑑定などもできない大昔は緑色の石は全部エメラルドだとされていたそうです。)     エメラルド原石 【エメラルドの特徴】 アクアマリンの回でお話しましたが、エメラルドとアクアマリンは同じ鉱物「ベリル」です。 ベリルは大まかに約8色あり、中でも酸化クロムを含むことで緑色となっている石のみをエメラルドと言い、他の成分で緑色となっているベリルはエメラルドではなく、グリーンベリルという別の宝石です。 モース硬度は7.5〜8で、エメラルドはやわらかいと表現される方もいますが、実は誤りでエメラルドはそこそこ硬さがある宝石ですが、多くのエメラルドの中には傷や内包物があるため、衝撃に弱い宝石です。 その傷を目立たなくさせるため、ほとんどのエメラルドには透明のオイルを染み込ませる「オイル含浸処理」がされています。 傷が多く白っぽく見えてているエメラルドも、傷をオイルで埋めることによって、透明感がアップして美しいエメラルドに仕上がります。 オイル含浸をされているものがほとんどなので、その処理により価値が下がるというものではありません。   無傷やオイル含浸処理がされてなくても透明感のあるエメラルドもあり、それらは高額で取引されます。 傷や内包物がないものは本当に美しいですが、傷や内包物があるものも楽しみの一つであり、そのエメラルドの個性なのかなと個人的には思います。 【エメラルドの産地と歴史】 エメラルドはコロンビア、ザンビア、ジンバブエ、ブラジル、ロシア、マダガスカル、パキスタンなどでよく採掘され、なかでもコロンビアのムゾー鉱山のエメラルドは最高峰と言われていて、色が濃く美しいエメラルドが採れ、高額で取引されています。 エメラルドの歴史は古く、紀元前4千年頃にはバビロニアでエメラルドの売買が行われ、また、ギリシャの鉱夫たちもアレキサンダー大王の命令によって灼熱のエジプトの砂漠を掘って探したと記述が残っています。 自分専用の鉱山を持っていたというほどエメラルドをこよなく愛したのはクレオパトラ。   古代エジプトでは永遠の若さを象徴する石でもあったため、エメラルドを葉の形に彫り死者と共に埋葬しました。エメラルドの持つ緑色が新緑や青々と茂った葉を連想させ、人々が永遠の若さを求めていたことがとてもよくわかります。   【石としてのエメラルド】...

エメラルドについて

おそらく知らない人はいないというくらい有名な宝石のエメラルド。  5月の誕生石、そして、結婚55年の記念日をエメラルド婚式というそうです。 エメラルドの特徴 エメラルドの歴史 石としてのエメラルドと商品ののご紹介 【エメラルドの語源】 サンスクリット語で緑色という意味を指すスマラカタというのが語源であり呼び名でしたが、その後ギリシャ語の緑色の石全般を指す意味のスマクラグドスという呼び方に変わり、さらにラテン語のスマラクダス、古フランス語のエスメラルド、そして現在の呼び名のエメラルドと長い歴史の中で呼び名が何度も変化しています。 和名も緑色の石という意味がベースの「緑玉」です。 (ちなみに、成分鑑定などもできない大昔は緑色の石は全部エメラルドだとされていたそうです。)     エメラルド原石 【エメラルドの特徴】 アクアマリンの回でお話しましたが、エメラルドとアクアマリンは同じ鉱物「ベリル」です。 ベリルは大まかに約8色あり、中でも酸化クロムを含むことで緑色となっている石のみをエメラルドと言い、他の成分で緑色となっているベリルはエメラルドではなく、グリーンベリルという別の宝石です。 モース硬度は7.5〜8で、エメラルドはやわらかいと表現される方もいますが、実は誤りでエメラルドはそこそこ硬さがある宝石ですが、多くのエメラルドの中には傷や内包物があるため、衝撃に弱い宝石です。 その傷を目立たなくさせるため、ほとんどのエメラルドには透明のオイルを染み込ませる「オイル含浸処理」がされています。 傷が多く白っぽく見えてているエメラルドも、傷をオイルで埋めることによって、透明感がアップして美しいエメラルドに仕上がります。 オイル含浸をされているものがほとんどなので、その処理により価値が下がるというものではありません。   無傷やオイル含浸処理がされてなくても透明感のあるエメラルドもあり、それらは高額で取引されます。 傷や内包物がないものは本当に美しいですが、傷や内包物があるものも楽しみの一つであり、そのエメラルドの個性なのかなと個人的には思います。 【エメラルドの産地と歴史】 エメラルドはコロンビア、ザンビア、ジンバブエ、ブラジル、ロシア、マダガスカル、パキスタンなどでよく採掘され、なかでもコロンビアのムゾー鉱山のエメラルドは最高峰と言われていて、色が濃く美しいエメラルドが採れ、高額で取引されています。 エメラルドの歴史は古く、紀元前4千年頃にはバビロニアでエメラルドの売買が行われ、また、ギリシャの鉱夫たちもアレキサンダー大王の命令によって灼熱のエジプトの砂漠を掘って探したと記述が残っています。 自分専用の鉱山を持っていたというほどエメラルドをこよなく愛したのはクレオパトラ。   古代エジプトでは永遠の若さを象徴する石でもあったため、エメラルドを葉の形に彫り死者と共に埋葬しました。エメラルドの持つ緑色が新緑や青々と茂った葉を連想させ、人々が永遠の若さを求めていたことがとてもよくわかります。   【石としてのエメラルド】...

4月の誕生石でもある水晶(クォーツ)にスポット

4月の誕生石でもある水晶(クォーツ)にスポット

今回はダイヤモンドと同じく4月の誕生石でもある水晶(クォーツ)にスポットを当ててみました。   水晶の歴史と産地 水晶の特徴と種類 商品のご紹介   【水晶のできるまで】 二酸化ケイ素が主成分となり長い年月をかけて地中で形成されたものが地表で2番目に多い鉱物「石英」で、石英のなかでも無色透明のものを水晶と呼び、六方晶系の柱結晶体で産出されます。 濃度の濃い食塩水を冷やすと食塩が結晶となりますが、水晶の作りも原理は同じです。 地下深くの高温高圧の水に溶けている二酸化ケイ素が、やがて地下の空洞に集まり、ゆっくり冷やされると大きな結晶が、早く冷やされると小さな結晶ができます。 それが水晶です。結晶は100年で1mmぐらいずつ成長していきます。 水晶クラスター(よく空洞に結晶がびっしりついたものが売られていますね。) 【水晶の歴史と産地】 水晶の歴史は長く、いつ誰が発見したのかは分かってないくらい古くから世界中で親しまれてきました。 古代ギリシャ時代に刊行されたテオフラストス世界最古の鉱石辞典「石について」(紀元前4世紀)に水晶の記述が、また、中国の薬物辞典「神農本草経」(1〜2世紀)は水晶について記されている中国最古の書物です。 主な産地は、ブラジル(ミナスジェライス州)、アメリカ(アーカンソー州)、中国(四川省)、インド、パキスタン、ネパールのヒマラヤ産です。中でもブラジル産は透明度が抜群に良いことでも知られています。 日本の書物には平安時代以降にならないと水晶は登場しませんが、山梨県の馬場平遺跡(参考:甲府市サイト)で縄文土器などとともに水晶の石器などが大量に出土したことから、縄文時代にはすでに水晶は使われていたことがわかっており、その頃から山梨県で採掘がされていました。 【水晶の特徴と種類】 水晶は透明感があり、まるで氷そのもののような天然石です。 成分に二酸化ケイ素以外に他の成分が入ることで様々なカラーバリエーションを生み出します。 紫色→アメジスト 黄色→シトリン ピンク色→ローズクォーツ 茶→スモーキークォーツ   また、内包物が入り込んだ水晶も存在し、石の名前もそれぞれ違います。 ストロベリークォーツ→水晶内に細かいゲーサイト(針鉄鋼)が入り込んでいてピンク色に見える ルチルクォーツ(針水晶)→金鉱石という金色の繊維状のもの(ルチル)が入り込んだ水晶。 ファントムクリスタル→何らかの原因により成長が一時的に止まった水晶がまた再び成長し始めたときに、水晶内部に山型の模様が入ったもの ガーデンクリスタル(苔入り水晶)→水晶内部に泥岩や石英が入り込んだものが苔のように見えることからその名がついたとも...

4月の誕生石でもある水晶(クォーツ)にスポット

今回はダイヤモンドと同じく4月の誕生石でもある水晶(クォーツ)にスポットを当ててみました。   水晶の歴史と産地 水晶の特徴と種類 商品のご紹介   【水晶のできるまで】 二酸化ケイ素が主成分となり長い年月をかけて地中で形成されたものが地表で2番目に多い鉱物「石英」で、石英のなかでも無色透明のものを水晶と呼び、六方晶系の柱結晶体で産出されます。 濃度の濃い食塩水を冷やすと食塩が結晶となりますが、水晶の作りも原理は同じです。 地下深くの高温高圧の水に溶けている二酸化ケイ素が、やがて地下の空洞に集まり、ゆっくり冷やされると大きな結晶が、早く冷やされると小さな結晶ができます。 それが水晶です。結晶は100年で1mmぐらいずつ成長していきます。 水晶クラスター(よく空洞に結晶がびっしりついたものが売られていますね。) 【水晶の歴史と産地】 水晶の歴史は長く、いつ誰が発見したのかは分かってないくらい古くから世界中で親しまれてきました。 古代ギリシャ時代に刊行されたテオフラストス世界最古の鉱石辞典「石について」(紀元前4世紀)に水晶の記述が、また、中国の薬物辞典「神農本草経」(1〜2世紀)は水晶について記されている中国最古の書物です。 主な産地は、ブラジル(ミナスジェライス州)、アメリカ(アーカンソー州)、中国(四川省)、インド、パキスタン、ネパールのヒマラヤ産です。中でもブラジル産は透明度が抜群に良いことでも知られています。 日本の書物には平安時代以降にならないと水晶は登場しませんが、山梨県の馬場平遺跡(参考:甲府市サイト)で縄文土器などとともに水晶の石器などが大量に出土したことから、縄文時代にはすでに水晶は使われていたことがわかっており、その頃から山梨県で採掘がされていました。 【水晶の特徴と種類】 水晶は透明感があり、まるで氷そのもののような天然石です。 成分に二酸化ケイ素以外に他の成分が入ることで様々なカラーバリエーションを生み出します。 紫色→アメジスト 黄色→シトリン ピンク色→ローズクォーツ 茶→スモーキークォーツ   また、内包物が入り込んだ水晶も存在し、石の名前もそれぞれ違います。 ストロベリークォーツ→水晶内に細かいゲーサイト(針鉄鋼)が入り込んでいてピンク色に見える ルチルクォーツ(針水晶)→金鉱石という金色の繊維状のもの(ルチル)が入り込んだ水晶。 ファントムクリスタル→何らかの原因により成長が一時的に止まった水晶がまた再び成長し始めたときに、水晶内部に山型の模様が入ったもの ガーデンクリスタル(苔入り水晶)→水晶内部に泥岩や石英が入り込んだものが苔のように見えることからその名がついたとも...

3月の誕生石としても有名なAquamarine(アクアマリン)のお話

3月の誕生石としても有名なAquamarine(アクアマリン)のお話

  3月の誕生石としても有名なAquamarine(アクアマリン)。 まるで水を閉じ込めて宝石にしたような淡い水色、ピュアブルーがとても美しい宝石、、今日はそんなアクアマリンの話です。   アクアマリンの由来 アクアマリンの歴史 エメラルドとは兄弟?! アクアマリンを使ったジュエリー 【アクアマリンの由来】 アクアマリンのアクアはラテン語で「水」、マリンは同じく「海」を表しており、まさに「海の水」という見た目通りの名称です。   和名は藍玉または水宝玉です。和名も水に由来した名称ですね。 また、結婚4年目(花婚式)の結婚記念石でもあり、花嫁さんのサムシングブルーにも用いられる人気の高い宝石です。   【アクアマリンの歴史】 古代ローマ時代には船乗りが航海するときに、良い旅を約束してくれる石、海の安全のお守りだったと伝えられています。 また、ロシアの女帝エカチェリーナ2世や、フランスのマリー・アントワネットなど有名な女性たちもこのアクアマリンの魅力に心奪われたことが記録にも残っています。アクアマリンは「夜の女王の宝石」とも呼ばれていました。 夜のパーティーで室内のロウソクの火の光を受けたアクアマリンは他のどの宝石よりも美しく輝いたのだそうです。 【アクアマリンの産地】 ブラジル、ロシア、パキスタン、モザンビーク、マダガスカル、インド、アメリカなど様々な国から産出されます。 中でもブラジルのミナス・ジェライス州にあるサンタマリア鉱山で採れたアクアマリンをサンタマリアアクアマリンといいます。 非常に濃くて高品質なアクアマリンです。しかし1920年頃に閉山してしまい、現在は採掘されていません。 その後サンタマリアアクアマリンに匹敵する濃くて高品質なアクアマリンがアフリカのモザンビークで採掘され始め、これはサンタマリアアフリカーナと呼ばれ、高い値で取引されています。 【エメラルドとは兄弟?!】 アクアマリンは宝石名ですが、鉱物名はベリルといいます。ベリルというのは様々な色の宝石をつくり出している鉱物で、色合いによって宝石名が変わります。 水色⇒アクアマリン 緑⇒エメラルド ピンク⇒モルガナイト 赤⇒レッドベリル その他、無色透明⇒ゴシュナイト、黄色⇒ヘリオドールなどがあります。ちなみに最も稀少で高価なのはレッドベリルです。...

3月の誕生石としても有名なAquamarine(アクアマリン)のお話

  3月の誕生石としても有名なAquamarine(アクアマリン)。 まるで水を閉じ込めて宝石にしたような淡い水色、ピュアブルーがとても美しい宝石、、今日はそんなアクアマリンの話です。   アクアマリンの由来 アクアマリンの歴史 エメラルドとは兄弟?! アクアマリンを使ったジュエリー 【アクアマリンの由来】 アクアマリンのアクアはラテン語で「水」、マリンは同じく「海」を表しており、まさに「海の水」という見た目通りの名称です。   和名は藍玉または水宝玉です。和名も水に由来した名称ですね。 また、結婚4年目(花婚式)の結婚記念石でもあり、花嫁さんのサムシングブルーにも用いられる人気の高い宝石です。   【アクアマリンの歴史】 古代ローマ時代には船乗りが航海するときに、良い旅を約束してくれる石、海の安全のお守りだったと伝えられています。 また、ロシアの女帝エカチェリーナ2世や、フランスのマリー・アントワネットなど有名な女性たちもこのアクアマリンの魅力に心奪われたことが記録にも残っています。アクアマリンは「夜の女王の宝石」とも呼ばれていました。 夜のパーティーで室内のロウソクの火の光を受けたアクアマリンは他のどの宝石よりも美しく輝いたのだそうです。 【アクアマリンの産地】 ブラジル、ロシア、パキスタン、モザンビーク、マダガスカル、インド、アメリカなど様々な国から産出されます。 中でもブラジルのミナス・ジェライス州にあるサンタマリア鉱山で採れたアクアマリンをサンタマリアアクアマリンといいます。 非常に濃くて高品質なアクアマリンです。しかし1920年頃に閉山してしまい、現在は採掘されていません。 その後サンタマリアアクアマリンに匹敵する濃くて高品質なアクアマリンがアフリカのモザンビークで採掘され始め、これはサンタマリアアフリカーナと呼ばれ、高い値で取引されています。 【エメラルドとは兄弟?!】 アクアマリンは宝石名ですが、鉱物名はベリルといいます。ベリルというのは様々な色の宝石をつくり出している鉱物で、色合いによって宝石名が変わります。 水色⇒アクアマリン 緑⇒エメラルド ピンク⇒モルガナイト 赤⇒レッドベリル その他、無色透明⇒ゴシュナイト、黄色⇒ヘリオドールなどがあります。ちなみに最も稀少で高価なのはレッドベリルです。...

まるで星空のような天然石、9月と12月の誕生石、ラピスラズリについてのお話

まるで星空のような天然石、9月と12月の誕生石、ラピスラズリについてのお話

スタッフMihoが、サニーのブランドや商品に関するあれやこれやを掘り下げていくコラムです。 About Lapis Lazuli ~ よく晴れた日の星空を見ていると、ラピスラズリのようだなと思うことがあります。 第一回はまるで星空のような天然石、9月と12月の誕生石、ラピスラズリについてのお話です。 ・ラピスラズリの魅力について ・ラピスラズリの歴史 ・ラピスラズリの産地 ・サニーサンデービーチのラピス商品のご紹介 【ラピスラズリの魅力】 ラテン語でラピスは「石」ラズリは「青」を意味していて、ラピスラズリと呼ばれるようになりました。 ラピスラズリは単体の鉱物ではなく、複数の鉱物の集まったものです。深い青の中に金色のチラチラと光るものが見えます。ラズライト、ソーダライト、パイライトなどで構成されています。深い青い部分がラズライトで、金色の部分がパイライトです。他の宝石にはない深くてコクのある青が魅力的で、さらに星屑のようなパイライトが美しさを一層引き立てていてよいアクセントになっています。 ラピスラズリのジュエリーはこちらでチェック⇒ 【ラピスラズリの歴史】 ラピスラズリの歴史は古く、紀元前にまで遡ります。世界最古の歴史を誇る宝石と言われています。あまりにも歴史が古いのでラピスラズリそのものが発見された当時の詳細はあまり知られていません。紀元前4000年頃にアフガニスタンのヒンドゥーシュク山脈が最初に見つかった場所だという説が有力です。 MakaluによるPixabayからの画像 古代エジプト時代には装飾品として用いられてきました。有名なものではツタンカーメンの黄金マスクにもふんだんにはめ込まれています。あのクレオパトラも、ラピスラズリを砕いたものをアイシャドウにしていたと伝わっています。 ツタンカーメン以外にも多くの墳墓から、紀元前3000年ほどの装飾品が発見されています。また、メソポタミアでは、紀元前2500年頃チグリス・ユーフラテス河付近にあったシュメール人の古代都市国家ウル(現在のイラク)の遺跡から多くの装飾品が発見されています。 【日本では瑠璃と呼ばれる】 日本にはシルクロードを経由して伝わりました。ラピスは日本では瑠璃と呼ばれました。奈良の正倉院には四角や楕円にカットされた大きなラピスラズリが贅沢にあしらわれた紺玉帯というものが収蔵されています。中国ではラピスラズリのことを紺玉と呼び、帯というのはいわゆるベルトです。シルクロードを通ってきたので、これが瑠璃帯ではなく紺玉帯となっているのはそのためです。仏教では七宝の中の一つです。七宝とは金・銀・珊瑚・シャコ・めのう・玻璃(水晶のこと)そして瑠璃。天皇やかなり高い位の貴族しか身につけることを許されないほどのものでした。 【金より高級な青色の顔料】 ラピスラズリは宝石としてだけではなく顔料としても用いられました。ラピスラズリを細かく砕いて油などと混ぜて顔料にした青色をウルトラマリンといいます。ミケランジェロは贅沢にウルトラマリンを使用した画家の一人で、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂のフレスコ画「最後の審判」ではたっぷりのウルトラマリンを用いて天の青さを表現しています。 「最後の審判」バチカン、システィーナ礼拝堂 (1537-1541年頃ミケランジェロ作) ミケランジェロだけでなく、ラファエロやフィリッポ・リッピ、ボッティチェッリなど多くの画家がこのウルトラマリンの青を好み使用しました。この青色はこのウルトラマリンでしか出せない美しい色だからだと思います。   「ヒワの聖母」イタリアフィレンツェ ウフィツィ美術館蔵 (1506年 ラファエロ作) しかし、このウルトラマリンは大変高価で金よりも高い顔料でもあったため、フェルメールはこのウルトラマリンの美しさに魅了され数多くの作品にウルトラマリンを用いましたが、借金まみれになり生活もかなり困窮していたそうです。...

まるで星空のような天然石、9月と12月の誕生石、ラピスラズリについてのお話

スタッフMihoが、サニーのブランドや商品に関するあれやこれやを掘り下げていくコラムです。 About Lapis Lazuli ~ よく晴れた日の星空を見ていると、ラピスラズリのようだなと思うことがあります。 第一回はまるで星空のような天然石、9月と12月の誕生石、ラピスラズリについてのお話です。 ・ラピスラズリの魅力について ・ラピスラズリの歴史 ・ラピスラズリの産地 ・サニーサンデービーチのラピス商品のご紹介 【ラピスラズリの魅力】 ラテン語でラピスは「石」ラズリは「青」を意味していて、ラピスラズリと呼ばれるようになりました。 ラピスラズリは単体の鉱物ではなく、複数の鉱物の集まったものです。深い青の中に金色のチラチラと光るものが見えます。ラズライト、ソーダライト、パイライトなどで構成されています。深い青い部分がラズライトで、金色の部分がパイライトです。他の宝石にはない深くてコクのある青が魅力的で、さらに星屑のようなパイライトが美しさを一層引き立てていてよいアクセントになっています。 ラピスラズリのジュエリーはこちらでチェック⇒ 【ラピスラズリの歴史】 ラピスラズリの歴史は古く、紀元前にまで遡ります。世界最古の歴史を誇る宝石と言われています。あまりにも歴史が古いのでラピスラズリそのものが発見された当時の詳細はあまり知られていません。紀元前4000年頃にアフガニスタンのヒンドゥーシュク山脈が最初に見つかった場所だという説が有力です。 MakaluによるPixabayからの画像 古代エジプト時代には装飾品として用いられてきました。有名なものではツタンカーメンの黄金マスクにもふんだんにはめ込まれています。あのクレオパトラも、ラピスラズリを砕いたものをアイシャドウにしていたと伝わっています。 ツタンカーメン以外にも多くの墳墓から、紀元前3000年ほどの装飾品が発見されています。また、メソポタミアでは、紀元前2500年頃チグリス・ユーフラテス河付近にあったシュメール人の古代都市国家ウル(現在のイラク)の遺跡から多くの装飾品が発見されています。 【日本では瑠璃と呼ばれる】 日本にはシルクロードを経由して伝わりました。ラピスは日本では瑠璃と呼ばれました。奈良の正倉院には四角や楕円にカットされた大きなラピスラズリが贅沢にあしらわれた紺玉帯というものが収蔵されています。中国ではラピスラズリのことを紺玉と呼び、帯というのはいわゆるベルトです。シルクロードを通ってきたので、これが瑠璃帯ではなく紺玉帯となっているのはそのためです。仏教では七宝の中の一つです。七宝とは金・銀・珊瑚・シャコ・めのう・玻璃(水晶のこと)そして瑠璃。天皇やかなり高い位の貴族しか身につけることを許されないほどのものでした。 【金より高級な青色の顔料】 ラピスラズリは宝石としてだけではなく顔料としても用いられました。ラピスラズリを細かく砕いて油などと混ぜて顔料にした青色をウルトラマリンといいます。ミケランジェロは贅沢にウルトラマリンを使用した画家の一人で、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂のフレスコ画「最後の審判」ではたっぷりのウルトラマリンを用いて天の青さを表現しています。 「最後の審判」バチカン、システィーナ礼拝堂 (1537-1541年頃ミケランジェロ作) ミケランジェロだけでなく、ラファエロやフィリッポ・リッピ、ボッティチェッリなど多くの画家がこのウルトラマリンの青を好み使用しました。この青色はこのウルトラマリンでしか出せない美しい色だからだと思います。   「ヒワの聖母」イタリアフィレンツェ ウフィツィ美術館蔵 (1506年 ラファエロ作) しかし、このウルトラマリンは大変高価で金よりも高い顔料でもあったため、フェルメールはこのウルトラマリンの美しさに魅了され数多くの作品にウルトラマリンを用いましたが、借金まみれになり生活もかなり困窮していたそうです。...

カリフォルニア州旗についてのお話

カリフォルニア州旗についてのお話

サニーサンデービーチで輸入しているパーカーやTシャツで時折みかける”Californiaなんちゃら”の文字とグリスリーベアの絵柄は、「カリフォルニアの州旗」を元にしたデザインでした! 今すぐ見てみる!     【アメリカには州ごとの旗がある!!】 みなさんは小学生のときの地図帳からはじまり、オリンピックなどスポーツイベントなどでも世界各国の国旗を目にする機会が多々あると思います。 国旗はその国を象徴するデザインで、どの国もその国旗を誇りに思い大切にしているものです。 アメリカ合衆国はアメリカ人でなくてもデザインを見れば知っている方々がほとんどだと思います。いわゆる星条旗と言われていますね。 アメリカは星条旗を国旗としていますが、なんと州ごとに州旗というものがあることをご存知ですか?   【カリフォルニアの州旗のデザイン】 カリフォルニアの州旗(写真左)は熊と赤い星がデザインされ、旗の下部に『California Republic』という文字が書かれたものです。 熊はグリズリーベアといい、かつてはカリフォルニアで多く生息していた熊です。現在はカリフォルニアでは絶滅してしまいましたが、アラスカやカナダなどではまだ生息しています。強さの象徴と言われています。 (写真は小熊のようでかわいいですね!)   そして、気になるのは『California Republic』というところ。訳すとカリフォルニア共和国という意味になります。カリフォルニアは州なのにどうして共和国なの?という疑問が浮かんできますね。   【カリフォルニアの歴史】   カリフォルニアは18世紀のころ、スペインの植民地で、現在のカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州北部、ワイオミング州南西部あたりをアルタ・カリフォルニアといい、スペインが支配していましたが、19世紀に入るとスペインから独立したメキシコが、現在のメキシコを含めたそのあたり一帯を第一メキシコ帝国として支配しました。 当時一応国境はありましたが、当時は今ほど堅固なものではなかったため、アメリカ人もメキシコ領となったアルタ・カリフォルニアに多く移住しはじめましたが、メキシコ政府はそれを嫌がり、メキシコ人以外をアルタ・カリフォルニアから追放しようとします。 それに対しアルタ・カリフォルニアに移住した33人のアメリカ人が反発をして革命が起き、メキシコ人を追放し、独立を宣言してカリフォルニア共和国ができ、「California Republic」と書かれた旗がその時掲げられました。 その当時の旗は現在の州旗とは若干デザインが違いましたが、グリズリーベアと星がデザインされたもので、その星は『The Lone Star Flag(一つ星の旗)』というテキサス州の州旗のデザインからインスピレーションを受けているのだそうです。 ちなみにカリフォルニア共和国として名乗れていたのは数週間足らずだったそうで、カリフォルニアは間もなくメキシコ支配下からアメリカに割譲され、カリフォルニアは1850年9月9日にアメリカ合衆国第31番目の州となり現在に至っています。そしてその当時の歴史や人々の想いが込められてカリフォルニア州旗には「California Republic(カリフォルニア共和国)」の文字がはいっているのです。 【商品紹介】...

カリフォルニア州旗についてのお話

サニーサンデービーチで輸入しているパーカーやTシャツで時折みかける”Californiaなんちゃら”の文字とグリスリーベアの絵柄は、「カリフォルニアの州旗」を元にしたデザインでした! 今すぐ見てみる!     【アメリカには州ごとの旗がある!!】 みなさんは小学生のときの地図帳からはじまり、オリンピックなどスポーツイベントなどでも世界各国の国旗を目にする機会が多々あると思います。 国旗はその国を象徴するデザインで、どの国もその国旗を誇りに思い大切にしているものです。 アメリカ合衆国はアメリカ人でなくてもデザインを見れば知っている方々がほとんどだと思います。いわゆる星条旗と言われていますね。 アメリカは星条旗を国旗としていますが、なんと州ごとに州旗というものがあることをご存知ですか?   【カリフォルニアの州旗のデザイン】 カリフォルニアの州旗(写真左)は熊と赤い星がデザインされ、旗の下部に『California Republic』という文字が書かれたものです。 熊はグリズリーベアといい、かつてはカリフォルニアで多く生息していた熊です。現在はカリフォルニアでは絶滅してしまいましたが、アラスカやカナダなどではまだ生息しています。強さの象徴と言われています。 (写真は小熊のようでかわいいですね!)   そして、気になるのは『California Republic』というところ。訳すとカリフォルニア共和国という意味になります。カリフォルニアは州なのにどうして共和国なの?という疑問が浮かんできますね。   【カリフォルニアの歴史】   カリフォルニアは18世紀のころ、スペインの植民地で、現在のカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州北部、ワイオミング州南西部あたりをアルタ・カリフォルニアといい、スペインが支配していましたが、19世紀に入るとスペインから独立したメキシコが、現在のメキシコを含めたそのあたり一帯を第一メキシコ帝国として支配しました。 当時一応国境はありましたが、当時は今ほど堅固なものではなかったため、アメリカ人もメキシコ領となったアルタ・カリフォルニアに多く移住しはじめましたが、メキシコ政府はそれを嫌がり、メキシコ人以外をアルタ・カリフォルニアから追放しようとします。 それに対しアルタ・カリフォルニアに移住した33人のアメリカ人が反発をして革命が起き、メキシコ人を追放し、独立を宣言してカリフォルニア共和国ができ、「California Republic」と書かれた旗がその時掲げられました。 その当時の旗は現在の州旗とは若干デザインが違いましたが、グリズリーベアと星がデザインされたもので、その星は『The Lone Star Flag(一つ星の旗)』というテキサス州の州旗のデザインからインスピレーションを受けているのだそうです。 ちなみにカリフォルニア共和国として名乗れていたのは数週間足らずだったそうで、カリフォルニアは間もなくメキシコ支配下からアメリカに割譲され、カリフォルニアは1850年9月9日にアメリカ合衆国第31番目の州となり現在に至っています。そしてその当時の歴史や人々の想いが込められてカリフォルニア州旗には「California Republic(カリフォルニア共和国)」の文字がはいっているのです。 【商品紹介】...

サニーの看板ブランド「SunNSand」サンアンドサンド

サニーの看板ブランド「SunNSand」サンアンドサンド

Sun'n'sandは当店で最も人気のあるアメリカの主にバッグを取り扱うブランドです。毎年集めてしまうという当店のファンの方もいらっしゃるほど。 今回はSun'n'sandのデザインアーティストやシリーズについて紹介していきます。 Sun’N’Sandとは アーティストトートの主なシリーズ 商品のご紹介   【Sun'n'sandとは】 「サンアンドサンド」で、アメリカテキサス州発のバッグメーカーです。 メインのバッグ以外に、ハット、キャップやポーチなどもラインナップしています。 何個かのブランドがあり、その中でもサニーサンデービーチでは、様々なアーティストの絵がプリントされた「アーティストトートバッグシリーズ」をメインで輸入しており、本コラムでもこのシリーズについて取り上げます。 このシリーズは、海や海に住む生き物たちをモチーフにしたもの、南国ならではの植物や鳥たちが描かれ、 リゾートスタイルはもちろん、シンプルなコーディネートにも映える個性的なアイテムばかりです。 【アーティストトートの主なシリーズ】 サンアンドサンドのアーティストトートバッグは、様々なアーティストやコラボのシリーズから成り立っています。 主なシリーズをご紹介します。 ポール・ブレントシリーズ fine art america Paul Brentより ポール・ブレントは南カリフォルニアに生まれ、現在はフロリダに住む絵画アーティストです。 fine art america Paul Brentより 海の風景や花、植物や海の生き物などをモチーフにしたデザインを多く描いています。ふんわり柔らかい印象を与える水彩画を得意とし、水彩画家協会の一員でもあります。海や自然など環境保護にも積極的な人物です。 fine art...

サニーの看板ブランド「SunNSand」サンアンドサンド

Sun'n'sandは当店で最も人気のあるアメリカの主にバッグを取り扱うブランドです。毎年集めてしまうという当店のファンの方もいらっしゃるほど。 今回はSun'n'sandのデザインアーティストやシリーズについて紹介していきます。 Sun’N’Sandとは アーティストトートの主なシリーズ 商品のご紹介   【Sun'n'sandとは】 「サンアンドサンド」で、アメリカテキサス州発のバッグメーカーです。 メインのバッグ以外に、ハット、キャップやポーチなどもラインナップしています。 何個かのブランドがあり、その中でもサニーサンデービーチでは、様々なアーティストの絵がプリントされた「アーティストトートバッグシリーズ」をメインで輸入しており、本コラムでもこのシリーズについて取り上げます。 このシリーズは、海や海に住む生き物たちをモチーフにしたもの、南国ならではの植物や鳥たちが描かれ、 リゾートスタイルはもちろん、シンプルなコーディネートにも映える個性的なアイテムばかりです。 【アーティストトートの主なシリーズ】 サンアンドサンドのアーティストトートバッグは、様々なアーティストやコラボのシリーズから成り立っています。 主なシリーズをご紹介します。 ポール・ブレントシリーズ fine art america Paul Brentより ポール・ブレントは南カリフォルニアに生まれ、現在はフロリダに住む絵画アーティストです。 fine art america Paul Brentより 海の風景や花、植物や海の生き物などをモチーフにしたデザインを多く描いています。ふんわり柔らかい印象を与える水彩画を得意とし、水彩画家協会の一員でもあります。海や自然など環境保護にも積極的な人物です。 fine art...